日韓福音同盟定期協議会参加の記
このたび、韓国で開催された「日韓福音同盟定期協議会」に、所属団体である「日本同盟基督教団」から派遣され参加いたしました。私にとってこのような超教派の国際会議に出席するのは初めての経験であり、しかも韓国を訪れることも初めてでしたから、非常に新鮮な経験でした。それゆえ、的外れで管見のそしりを免れない内容であると思いますが、率直な印象を以下に記します。
会場はソウル市郊外にある「ハレルヤ・コミュニティー教会」でした。山を削り取り、それ自身山の一部のように建てられた11階建ての教会は3,700人を収容する大礼拝堂を初めとして数えきれないほどの集会施設に体育館や宿泊施設も含む、巨大な教会でした。私たち参加者はただただ規模に圧倒されましたが、多くのスタッフの方々の行き届いた心遣いも素晴らしく、教会が祈りと主にある愛をもって私たちを迎えてくださったことが感じられ、感謝しました。
会議はJEA理事長小川国光先生のご奉仕による開会礼拝もって始められましたが、イザヤ書から語られた先生のメッセージが会議の方向と精神を指し示し、導いたように思います。イスラエルばかりでなく、異邦人の国々さえもが主の祝福の許にあるということが、日韓の主のある和解と一致、東アジアの平和を目指す私たち参加者にとって何よりの励ましとなり、希望となりました。
四日間の会期中、四回のセッションでそれぞれ発題と応答が語られました。幅広い知見をお持ちの四人の発題者の先生方はそれぞれのご専門からお話しくださり、日韓と東アジアの歴史的・政治的・教会的な状況と展望について私自身も多くを学ぶことができました。しかし同時に、私の印象では、それらの発題相互間の関連性がより明確にされ、課題とされる事柄が分野別にさらに明確にされるべきではなかったかと思います。そしてその上で、参加者には事前に各セッションのテーマなり目標なりが示されているべきではなかったかと思います。
と言いますのは、今回の会議のテーマは「今日の北東アジアの情勢に対する韓国と日本の教会の役割」でしたが、この主題は非常に幅広い内容を持ち、現今の日韓の政治状況、わけても靖国問題に象徴される両国間の摩擦をめぐる問題が含まれることはもちろん、北朝鮮に関わる諸問題、中国の社会・経済・政治・教会と宣教の情勢、米国などの諸国との相互の関係など、数多くのホットな話題が討議されることが予想できました。そのような幅広い問題意識を持ちつつも、実際には議論すべきことを整理しておくべきではなかったか、そして参加者はその内容に即して相応の準備が必要だったのではないかと思うのです。議題とされる主要項目が事前に知らされていれば、あるいは論点を整理して会議に臨めたのでは、と思う次第です。
また、このことは、講演を受けてレスポンスされる先生方にとっても必要なことではなかったでしょうか。事前の準備があれば、さらに実のある応答ができたのではと思われることがありました。
そもそも日韓教会の「協議会」が開かれるべき理由の一つに、日韓の歴史問題と現在の政治状況があります。しかし、会議中も発言があったように、少なくとも教会代表者の集う会議では、日本側の謝罪が繰り返される必要はなくなったのかも知れません。それは、両国間の諸問題の解決に大きな進展はないにも関わらず、両国間の教会にはすでに確固とした主にある交わりが打ち立てられているからであり、歴史問題や政治状況については意見のある程度の一致を見ているからです。
従って、これからの「協議会」は、両国が、共有する歴史から何を学び、何を産み出せるかを課題としていくべきでしょう。対話と和解、主にある赦しから、さらに主にある平和を両国の政治・経済・社会に宣べ伝える主にある器として日韓の教会が立って行くために共通の基盤を造る場として位置付けられるならば、これからもこの会議は大いに意義あるものとなるでしょう。
もう一点会議に望むことは、若い教職により多く参加していただくことです。もとより現在の日韓教会の和解と交わりを造り出してくださった幾多の諸先輩の労を多とするものですが、両国諸教会の交流が世界大の宣教の重荷を共有するものへと育つことを願う者として、ぜひとも次代のリーダーにこの幸いな交流の場に同席していただきたいと思います。その意味で、今回日本からの参加者が13人であったことは、やや物足りなかったと思っています。
同行の諸先生方との交わりも、楽しくかつ教えられることの多いものでした。迎えてくださった韓国の諸先生とも恵みを分かち合うことができました。かつてインドネシアで奉仕した折に在籍した神学校教授と会場教会で再会するなど、個人的にも主の導きに感謝した旅でした。企画・運営に労してくださったJEA諸先生に、深く感謝申し上げます。
第9回日韓福音同盟定期協議会に出席して
2005年10月30日から11月3日まで、韓国ソウル近郊のブンダン市にあるハレルヤコミュニティ教会を会場に行われた「第9回日韓福音同盟定期協議会」に、所属教団を代表して参加いたしました。今回の会議のテーマは「今日の北東アジアの状勢に対する韓国と日本の教会の役割」でした。
韓国福音同盟(KEF)と会場のハレルヤコミュニティ教会の方々の私たちに対する歓迎の心のこもったもてなしによって、期間中非常に快適な時間が過ごせたことを感謝します。また日本側の参加のために準備して下さったJEAのスタッフの先生方にも感謝いたします。
さて、会議の参加者としての感想と今後の期待や提案を述べるようにと依頼をいただきましたので、私自身はこの協議会への参加は初めてであり十分な理解が出来ておりませんが、以下に感想を思いつくままに記すことにいたします。
- まず、今回の会議とプログラムの全体を通して、全体的に非常にリラックスした雰囲気で、発題や意見交換も正直な内容で飾らないスタイルで行われていると感じました。
そこには、隔年開催で第9回とのように既に20年近い年月にわたる協議会によって築き上げられた互いの信頼関係があることを強く覚えました。このために長い間尊い働きを担って下さっている両国の福音同盟の指導者の方々に感謝いたします。 - 発題やディスカッションの中で、韓国側の指導者から繰り返して「日本にこれ以上謝罪を求めるべきではない」という言葉を聞きました。私自身はこの言葉を受け身で聞くのではなく、この言葉の真実を生活の場で体験する機会を日本人や日本の教会に与えることが必要であると思いました。そのためには、今後の交わりの重点を地方教会や青年層のレベルに広くおろしていく働きが必要ではないかと思います。
言葉に告白されたことがらを、次にはたとえば青年たちのためにはキャンプやホームステイなど、ともに時間を過ごすことによって具体的に体験していくことが大切と思います。 - そのようにして互いの交わりの底辺を広げていくこととともに、指導者の交わりとしては次の新たな段階に進まなければならないと感じました。つまり、「今後この協議会は何を目指していくのか」という点を明確にしなければならないのではないでしょうか。
これまで話し合われたこと、声明として出されたことを土台として、そして今後は何を目指していくのか、またそのための戦略をともに考える必要があります。そのために日韓両福音同盟のメンバーによる常設の小委員会を置くことはどうでしょうか。協議会が隔年の開催であり参加者もそのたびに入れ替わるという状況では、交わりのための集まりやイベントの開催は可能でもそれ以上のことには限界があるように思います。 - 初めての参加者としては、この協議会の目的やこれまで話し合われたことについての理解が乏しく、最後まで陪席者の意識を超えられなかったように思います。今回の会議の「今日の北東アジアの状勢に対する韓国と日本の教会の役割」というテーマについても、あらかじめ「日本の教会の役割」についてJEAとしてディスカッションをふまえていれば、さらに意味のある会議が持てたと思います。
以上、感じたことをそのまま記しました。最初に記しましたように、ここまで両国の教会の交わりが築き上げられたことを確かめる機会が与えられたことを感謝します。キリストのからだである教会の交わりが美しく保たれることによって、かしらであるキリストの御名があがめられますように。